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橙色時間 今夜、すべてのバーで
程々にマイペース

今夜、すべてのバーで

今夜、すべてのバーで (講談社文庫)今夜、すべてのバーで (講談社文庫)
(1994/03)
中島 らも

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重度のアル中の男が入院し、周囲の個性的な人々との交流が描かれる。そんな作品。


タイトルに惹かれて買いました。洒落ている、というよりは光を放っていた。大量の本の中でも埋もれないインパクトを自分は受けた。加えて、春に読んだ北森鴻『香菜里屋シリーズ』という作品群の舞台になるビアバー「香菜里屋」の印象が強すぎて「バー」という言葉に過剰反応したらしい。加えて、「今夜、すべてのバーで」ときた。手に取ってしまうのも止む無しというものだ。

『香菜里屋シリーズ』は客が持ち込む不思議な話をマスター・工藤が推理する流れの安楽椅子探偵もの(あくまでも推理。事実如何は確認されない)。ビアバーが舞台ということで、料理の描写が細かく、度数の違う4種類のビールを扱っているという変わった設定付き。店内描写を想像するだけでも楽しいです。謎解きを楽しむというよりは人物描写と背景を楽しむ作品。おすすめ、夏休みの長い夜に是非。


作者の中島らも氏は面白い経歴の持ち主です。灘高に8位の成績で合格しながら、飲酒、薬物に埋没しり、就職活動はしなかったり。実際に肝臓を痛めて入院した時の話が本作にフィードバックされた。その意味では多少ノン・フィクションである。

人物たちは痛快な人々が多い。多くの人が善し悪しは別として「自分の生き方」を確立している。読んでいていっそ清々しい。それとアルコールや薬物に関するうんちくが凄まじい。しっかり読めば勉強になるかもしれない。

コピーライターの経歴もあるらしい。あのタイトルは素晴らしいと思う。

【 2008/06/12 18:18 】

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